腰痛の治療なのに、腰以外も指圧するのはなぜですか?
公開:2024/4/19
腰の痛みという症状が引き起こされている「構造・諸要因」を視野に入れて、アプローチする必要があるからです。非常におおまかにいうと、身体はつながっていて、全体として機能しているので、単に症状が出ている箇所だけを施術すれば良いという、単純なケースばかりではありません。
たとえば、経験上、頸(首)への指圧が全身状態やバランスの改善につながり、腰の状態改善に寄与することがあります。また、当然、腰に関連する神経や筋走行などを念頭にアプローチする必要があります。
広い視野での観察と見立て
「腰が辛いのだから、腰をやってほしい」というご要望は理解できますし、ご要望を組み入れて対応しています。ただ、もっと広い視野で施術する必要がある状態であることも多いものですし、ご自身が自覚していない体の歪みもあるものです。これを前提として、プロとしての指圧師は、知識と技術、経験を背景にして、手指を通じた観察で理解しながら、状態や体質に応じた施術を組み立てています。
全身指圧によるベースからの健康増進
また、全身指圧は指圧の強みであり、特に「指圧」を専門として学んできた指圧師が得意とするところです。全身指圧でアプローチする場合は、全身的に偏りを減らし、滞りを緩め、リラックスさせ、回復の働きを促します。これにより、表に現れる氷山の一角である「症状」だけではなく、ベースとしての全身的健康の改善・回復を目指します。